エステル1章

ところが、王妃ワシュティは宦官たちが伝えた王の命令に従わず、行くことを拒んだ。王は大いに憤り、怒りに燃えた。(12)

 ペルシアの王クセルクセスの王妃となったエステルの物語です。また、ユダヤ人の中で祝われるようになったプリムの祭(三月頃)の起源についての記録とも言えます。
 この物語はクセルクセス王の王妃であったワシュティの話から始まります。ペルシア王クセルクセスはその治世の第三年に半年にも及ぶ酒宴に引き続いて首都スサにおいて一週間、その町に住む全ての民のために酒宴をもうけたのでした。その最終日、気持ちの良くなった王は、王妃ワシュティの美貌を民に見せようとします。しかし、ワシュティはその王の命令を拒んだのでした。まるで自分が見世物にされるような気持ちになったのかもしれません。王の命令、またその命令に従わなかったワシュティの決断に対する是非やその善悪については聖書は語りません。しかし、ワシュティはこの決断がもとになって、王妃の位を失うことになったのでした。王も大人げなかったのだろうと思います。しかし、神の御手はその背後にも働いていました。