歴代誌上10章

サウルは主に対する背信の罪のために死んだ。彼は主の言葉を守らず、霊媒に伺いを立て、これに尋ねながらも、主に伺いを立てようとはしなかった。そのため主は彼の命を絶ち、王権をエッサイの子ダビデに渡された。(13~14)

 歴代誌の記者はその歴史的な叙述を、サウル王の死から書いていきます。サウルは神が選び、油を注ぎ、全イスラエルの王として選ばれた器です。ある意味、とても優秀で有能な人物だったのだろうと思います。しかし、イスラエルにおいて、王に求められていたのは、どれだけ外交的手腕があり、政治的才能に優れ、国を豊かにできるかということではありませんでした。王に求められていたのは主に従い、その御言葉を誠実に守り行うこということだったのです。
 聖書は、サウルが死んだのは、その背信の罪のためであったと言います。主が待つようにと命じられた時に、待つことをせず、また主が敵を滅ぼすようにと語られた時に、そのことをしませんでした。そして主に信頼し、主に聞き従うのではなく、霊媒に聞いたりしたのです。彼は偶像礼拝はしなかったのだと思います。しかし、主に聞き従わなかったサウルは滅ぼされ、主にすがって生きたダビデに王権は手渡されていったのです。