列王記下25章

バビロンの王はヨヤキンに親しく語りかけ、バビロンで共にいたどの王たちよりも高い地位を与えた。ヨヤキンは獄中の衣を脱ぎ、その生涯を通して、常に王の前で食事を共にした。(28~29)

 バビロンに捕らえ移されたヨヤキンの後、王位を継いだのは、ヨヤキンのおじのゼデキヤでした。そしてこのゼデキヤの時代にバビロンの王ネブカドネツァルがエルサレムを取り囲み、ついに陥落させます。エレミヤ書を読むと、この時代のエルサレムの様子がよく分かります。エレミヤはゼデキヤ王に、この国は主に対する背きのために滅びることが定められているのだから、バビロンに降伏するようにと主の言葉を告げたのですが、イスラエルの民は最後まで主に背き続けました。
 ついにエルサレムは陥落し、神殿も城壁も徹底的に破壊され、主だった民はバビロンに捕囚の民として捕らえ移されました。しかし、この列王記は非常に悲惨な状況、エルサレムの滅びで終わりません。すでにバビロンに捕らえ移されたヨヤキンがバビロンで解放され、高い地位を与えられて、王の食卓に加えられたことが記されます。滅びの向こうに主の慰めと回復を暗示しながらこの書は閉じられていくのです。