アヒトフェルはもともとはダビデの参謀でした。ダビデに作戦を授ける助言者です。このアヒトフェルは非常に有能な人物でした。そしてアヒトフェルの助言は、どれもとても的を得た適切なものでした。アヒトフェルは一気にダビデを追い詰めて、ダビデを殺し、すべての民をアブシャロムのもとにまとめるという作戦を提案します。それに対して、ダビデのもとからエルサレムに送り込まれていたフシャイは、一度軍を建て直し、全軍でダビデと彼と共にいる人々をすべて討ち倒すという作戦を提案します。
実際にはアヒトフェルの作戦の方が賢明だったのですが、アブシャロムやその取り巻きは、フシャイの作戦を採択します。人間的な知恵ではアヒトフェルは優れていたでしょう。しかし、人間の知恵を越えた神の業がここには働いていました。自分の知恵に頼って生きてきたアヒトフェルは失意の中で自死してしまいました。