ダビデはその生涯の中でも最大の危機の中にいたと思います。人は権力を持っている人にすり寄りますし、また力を持っている人の顔色をうかがいます。また権力やお金を失ってしまうと、多くの友人が去って行くのかもしれません。ある意味、困難な中に置かれている時に、その友人・知人の本当の姿が分かってくるとも言えます。ダビデがエルサレムを追われて逃げていくときにも、そんな中でもダビデを支える人と、そのような時に、足の裏を返すようにしてダビデのもとから去ったり、ダビデを非難して体制側につく人もいたのです。
サウル家の関係者の一人であったシムイもダビデを呪い、石を投げつけます。しかし血気にはやり、シムイを討たせてほしいと申し出る家来たちをダビデはおさめます。そして、自分を呪うシムイの背後にも、そのことを許しておられる主を認め、主にすべてのことをおゆだねしたのでした。