ダビデは王となり、その国が安定していった時、もう一つのことに心を向けるようになりました。それはかつて、自分が親友として愛し、また主の御前に契約を結んだヨナタンのことです。ヨナタンはサウルの子です。そして多くの国々では、王朝が変わると、前の王朝の関係者やそこで王と親しかったり、実権を握っていた人たちは根絶やしにされるというのがある意味、常識であったかもしれません。
しかし、ダビデは全く逆のことを考えます。それはサウルの家の関係者を捜して、彼らに恵みを施すということでした。ダビデは捜してまでそのことをしようとしました。それはヨナタンと主の御前で交わした約束があったからです。
ヨナタンの子メフィボシェトは五歳の時にペリシテとの戦いで父を失い、逃げるときに乳母が落としたために、両足が不自由になりました(四4)。けれどもダビデは彼を自分の子の一人のように大切にしたのでした。