イスラエルとペリシテとの戦いは、ペリシテの大勝に終わりました。サウルの息子たちはギルボア山に倒れ、サウルもまた矢に討たれて深手を負い、自ら命を絶ちます。ペリシテ人たちはサウルとその息子たちの遺体をベト・シャンの城壁にさらしものにしました。
しかし、その悲報を聞いたギルアドのヤベシュの勇敢な人々はこぞって立ち上がり、命がけでベト・シャンに行き、サウルと息子たちの遺体を取り下ろし、自分たちの町に持ち帰って火葬し、丁重に葬って、その死を悼んだのでした。
ヤベシュの町は、かつてサウルが王になったばかりの頃、アンモン人に攻められて絶体絶命だったところを助けてもらったのです。ヤベシュの人々はその時の恩を忘れることなく、サウルが辱められるのをよしとしませんでした。このヤベシュの人々の勇気ある行為は後々、イスラエルの歴史の中で覚えられていきます。