サムエル記上20章

従者が帰ってしまうと、ダビデは南側から出て来て、地にひれ伏し、三度礼をした。彼らは互いに口づけし、共に泣いた。ダビデのほうがいっそう激しく泣いた。(41)

 ダビデは密かにヨナタンのもとに行って、自分の置かれている厳しい状況を伝え、ヨナタンの父サウルが自分を殺そうとしてることを伝えます。ただヨナタンは、すでに父サウルに対してダビデのことをとりなして、サウルが分かってくれたと思っていますから、事態をそれほど深刻には受けとめていません。
 ダビデはヨナタンにサウル王の本心を確認して、自分に知らせてほしいと願い出ます。ダビデとヨナタンは、その結果をどのように知らせるか決めておきます。ヨナタンが矢を野に射て、従者に取りに行かせ、「もっと向こうにあるぞ」と声をかけたら、サウル王はダビデを殺そうとしているというサインです。
 そしてヨナタンは、そのようにダビデにサインを送りました。しかし、ヨナタンとダビデは誰もいなくなってから、互いに口づけし、泣いて別れたのでした。主がふたりの間におられました。