サムエル記上18章

ダビデがサウルと話し終えたとき、ヨナタンの魂はダビデの魂に結び付き、ヨナタンは自分自身のようにダビデを愛した。(1)

 ヨナタンはサウル王の長男です。そしてこの世的に言うなら、やがてはサウル王の後継者になっていくべき存在です。サウルは主に選ばれ、油を注がれて王となりましたが、主に従うことをせず、神に捨てられてしまいました。しかし、そのようなサウルの家にあって、このヨナタンは主に対する純粋な信仰を持っていた人物です。そしてヨナタンはダビデの中にある信仰、ダビデと共にいて働いておられる主を見たのでしょう。ヨナタンはダビデを愛し、無二の親友となっていきます。
 このヨナタンとサウルの対比はとてもはっきりしています。サウルは女性たちが「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った」と歌うのを聞いて、不快感をあらわにし、またダビデに対して猜疑心を抱き、ダビデを恐れるようになっていきます。高慢や嫉妬は、人間関係を破壊し、また自らの身を滅ぼします。サウルはダビデの死を願うようになっていったのでした。