サムエル記上10章

ついにはキシュの息子サウルがくじで選び出された。人々は彼を捜したが、見つからなかった。そこで、人々はもう一度主に伺いを立てた。・・・主は答えられた。「彼は荷物の間に隠れている。」(21~22)

 サムエルはサウルの頭に油を注ぎます。旧約聖書の時代、神に選ばれ、特別な働きを担う人の頭に油を注ぐことをしました。王、大祭司、預言者などがそうでした。後に、神に選ばれ、神に遣わされた特別な人を「油注がれた者」(メシヤ、ギリシャ語では「キリスト」)と呼んで、神が送ってくださる特別な救い主を表す言葉になっていきます。サウルは油を注がれ、主の霊が彼の上に下って、神に託された使命を果たす者として立ち上がっていきます。
 ただサウルはイスラエルの最初の王です。サウルが確かに神から選ばれた者であることを示すために、サムエルはすべてのイスラエル人のためにくじをひきます。そしてサウルがくじで選び出されました。しかし、サウルは荷物の間に隠れていました。サウルは自分が決してふさわしい者ではないことを知っていたのでしょう。サウルは謙虚な人でした。主はそんなサウルを選ばれたのです。