士師記21章

民はベテルに到着し、夕方まで神の前に座って声を上げて泣き叫び、言った。「イスラエルの神、主よ。なぜイスラエルにこのようなことが起こり、今日、イスラエルから一つの部族が欠けることになったのですか。」(1~2)

 さてギブアの事件から始まったイスラエルとベニヤミン族の戦いは、イスラエル連合軍の勝利に終わりました。しかし、この勝利はイスラエルの民にとって大きな痛みを伴うものとなりました。イスラエルの十二部族の一つが滅び去ろうとしていたのです。残ったのはリモンの岩場に逃げ込んだ六百人だけでした。彼らは男だけで、イスラエルの民は自分たちの娘をベニヤミンに嫁がせることはしないと誓っていましたので、ベニヤミン族はまさに風前の灯でした。イスラエルの民は勝利したにも関わらず、ベニヤミン族のために神の前に座って泣き叫び、嘆きの祈りをささげたのでした。
 イスラエルの民は祈り、また礼拝をささげる中で、主に自分たちのすべきことを示されていきます。彼らは隠れていたベニヤミンの生き残りの人たちに和解を呼びかけ、彼らに嫁ぐべき娘たちを与えたのでした。後にこのベニヤミン族からイスラエル連合王国の初代の王が立てられ、またベミヤミン族は最後までダビデ王朝を支えることになります。