サムソンの時代、イスラエルはペリシテによって苦しめられていました。ところがよりにもよってサムソンはイスラエルの敵であるペリシテの女性が好きになります。聖書はこれは「主から出たものであり、ペリシテ人から脱する機会をうかがうもの」だったと語ります。サムソンがどこまで純粋に一つの策略としてペリシテの女性に近づいたかは分かりません。また最初はそのような動機であったとしても、この後のサムソンとペリシテの女性たちとのやりとりを見ていると、サムソンの中に女性に対する弱さがあったのも事実かと思います。ライオンを素手で倒し、またペリシテの人々を討ち倒したサムソンが、女性の泣き落としに負けてしまったのは私たちにとっても大きな警告です。私たちはどんなに最初は高尚な動機で始めたとしても、しばしば自分の欲に負けて、倒すべき相手に足を救われてしまうということがあるのです。