ギデオンはイスラエルに大勝利を与えました。そして人々はギデオンのところに来て、「あなたが、あなたの子が、そのまた子が、私たちを支配してください」と求めます。最初はギデオンについていろいろ言っていた人たちも、ギデオンの働きを認めたのです。
ただギデオンは人々の申し出を固辞します。ギデオンは自分の分をわきまえていました。ギデオンは自分の力によって勝利を得たのではないことをきちんと理解していました。そして「主があなたがたを支配される」と語ります。勝利を与えてくださったのは主だし、イスラエルにおいては主が王として治めてくださるのだということを把握していました。権力を握ることは時に大きな誘惑になります。しかしギデオンはその誘惑に勝利します。
士師記には、ギデオンが人々から受け取った金でつくったエフォド(祭司が礼拝の時に身に付ける衣装の一つ)がイスラエルの人々の罠となったと記されています。ギデオンを慕う人たちがエフォドを礼拝するようになったのでしょう。私たちはすぐに神ではないものを慕い、拝む誘惑に負けてしまうのです。