士師記7章

主はギデオンに言われた。「手で水をなめたこの三百人をもって、私はあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡そう。残りの兵は皆、それぞれ自分の家に帰しなさい。」(7)

 ギデオンの率いるイスラエルと、ミデヤン人の間に戦いが起ころうとしていました。ギデオンのもとに集まったのは三万二千人、それに対してミデヤンの軍隊には十三万五千人の兵士が集まっていました(八10)。これでも人間的には非常に厳しいと思います。敵はこちらの四倍の兵を持っているのです。しかし、主はギデオンに「多すぎる」とおっしゃいます。これで勝ったら、きっとイスラエルの民は「自分の手で自分を救ったのだ」とおごり高ぶることになる。
 ギデオンは恐れのある者は帰るようにと呼びかけます。すると二万二千人が帰ってしまいます。ギデオンは真っ青だったはずです。しかし、主は「まだ多い」とおっしゃいます。そして、残った兵たちを水辺に連れて下り、手ですくってなめるように水を飲んだ三百人を用いて、イスラエルに勝利を与えられたのでした。兵力や作戦によって勝利を得たのではありません。これはまさに主の勝利でした。