モーセはこのところで、主がホレブ山で、イスラエルの民に語り、与えられた十戒をもう一度語ります。イスラエルの民の中で四十年前、大人としてホレブ山で、主の契約の場に身を置いた人たちはヨシュアとカレブを除いて、皆、死んでしまいました。だからこそ、モーセはこれからヨルダン川を渡ってカナンの地に入って行こうとしているイスラエルの民にどうしても、この十戒を語らなければならなかったのです。そしてイスラエルの民はこの戒めをことある度に、思い起こし、また暗唱するようにして、この御言を心に刻み込んでいくことを求められていました。
この十戒において、まず大事なのは、その前文です。「私は主、あなたの神、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である」という一文が十戒全体を支えます。私たちには、私たちを救い出してくださったただひとりの神がおられる・・・だから、このように歩むのだと言うのです。