ユダがベニヤミンを非難したり、ま弁解をするのではなく、ただ自分の身を差し出して、ベニヤミンを守ろうとしているのを見て、ヨセフはついに、自分の身を明かす決断をします。ヨセフは大声で泣きながら、彼らの言葉で、「私はヨセフです。お父さんはまだ生きておられますか」と語り出したのでした。兄たちは驚いて言葉も出なかったことでしょう。
しかし、ヨセフは兄弟を近くに呼び寄せ、語りかけます。確かに兄たちがヨセフを売ったという事実は変わりません。けれども、ヨセフは兄たちを責めたり、復讐しようとしているのではありませんでした。ヨセフはこの二十数年の時を経て、兄たちと再会して、自分のこれまでの苦難の日々の意味を知ることができました。神が私を先に遣わされたのだ。それはヤコブとその子たちが生きながらえ、大いなる救いを経験することができるだめだったのです。