創世記42章

ヨセフは兄弟だと気付いていたが、彼らはヨセフだとは気付いていなかった。ヨセフは、かつて兄弟について見た夢を思い出して・・・(8~9)

 さて、豊作の七年が終わり、飢饉の年が始まりました。けれどもヨセフが治め、飢饉の年に向けて準備していたエジプトには食糧が豊かにありました。ヤコブはエジプトには食糧があると聞いて、自分の息子たちをエジプトに送り出します。ヨセフの兄たちは、ヨセフの前で、顔を地に付けてひれ伏しました。ヨセフの兄弟たちは、自分の前にいるのがヨセフだとは思いもしません。しかしヨセフにはすぐにそれが自分の兄たちだと分かりました。ヨセフは自分が二十年以上前に見た夢のことを思い出していました。あの夢にも確かに意味があったのです。そして夢で語られていたことが今、自分の目の前で起こっているからです。
 しかし、ヨセフはすぐには自分のことを兄弟たちに明かすことはしません。それはヨセフが意地悪をしていたということではなく、自分の兄たちの今の心の姿勢を知りたいと思ったのでしょう。