ヨセフはヤコブの十二人の息子の中で十一番目であり、ヤコブの最愛の妻であったラケルの生んだ子でした。ヤコブが歳をとってから生まれたということもありましたし、またラケルが十二番目のベニヤミンを生んだ後に死んでしまったことから、母親を早く亡くした子としてかわいそうだということもあったでしょう。ヤコブはヨセフをとてもかわいがり、また特別扱いをしました。ヤコブの父イサクが兄エサウをかわいがり、エサウの方を愛したということが、自分の中にもきっと寂しい気持ちを経験させたと思います。しかし、ヤコブは理由の差はあれ、父イサクと同じことを子どもたちにします。
ヨセフの兄たちは弟ヨセフを妬み、憎み、殺意さえも抱くようになります。そして自分たちの様子を見に来たヨセフを捕らえて、エジプトに向かうミデヤン人たちの商人たちに売り渡し、父ヤコブをだましてきっと獣に裂き殺されてしまったのだと語ったのでした。