創世記17章

アブラムが九十九歳の時、主はアブラムに現れて言われた。「私は全能の神である。私の前に歩み、全き者でありなさい。」(1)

 イシュマエルが生まれた時、アブラムは八六歳でした。アブラムとサライの関係がおかしくなるだけでなく、神とアブラムとの間も疎遠になっていたものと思われます。アブラムは主を信じることをあきらめて、自分の手段で問題を解決しようとしたからです。けれども、それは本当の解決にはならず、かえって新しい問題を生み出すことになってしまいました。
 しかし、そんなアブラムに主なる神はご自身の方から近づいてくださいました。そしてアブラムに対して「私の前に歩み、全き者でありなさい」というのです。ただ、この時のアブラムは「全き者」には遠く及ばない者でした。しかし、そんなアブラムに主は、「全能の神」としてご自身を表してくださったのです。全き者ではなかったアブラムを全き者にすることのできるお方として主は彼の前に立たれました。神はもう一度、彼に祝福の約束を思い起こさせ、契約を結び、新しい名を与え、神のものであるしるしとして割礼を受けることを命じられたのでした。