創世記16章

ハガルは、自分に語りかけた主の名を、「あなたはエル・ロイです」と呼んだ。「私はここでも、私を見守る方の後ろ姿を見たのでしょうか」と言ったからである。(13)

 神を信じたことによって、義とされたアブラムでしたが、その後もなかなか子どもはできません。アブラムがカナンの地に来たときにすでにアブラムは七五歳、サライは六五歳でしたが、それから十年がたってしまいました。アブラムも妻のサライも、待ちきれなくなりました。本当はここでもう一度、神の前に出たらよかったと思います。ただ彼らは、神の前に出ることなく、自分なりの手段で何とかしようとします。サライの女奴隷ハガルをアブラムに与え、ハガルを通して生まれる子どもを自分たちの子として育てるということです。これはこの当時、子のない夫婦が自然にしていることでした。そして、彼らの願っていたとおりにハガルは身ごもりました。
 しかし、そのことをきっかけにアブラムの家庭はぎくしゃくし、ハガルはサライに耐えかねて家を飛び出しました。しかし、主はそんなハガルを見ておられました。ハガルは家に戻ってアブラムにイシュマエルを生んだのでした。