創世記12章

主はアブラムに言われた。「あなたは生まれた地と親族、父の家を離れ、私が示す地に行きなさい。私はあなたを大いなる国民とし、祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福の基となる」。(1~2)

 十一章までは創造→堕落→洪水→バベルと人間の最初の歴史が書かれてきました。そしてこの十二章以降は「族長物語」になっていきます。族長とは一族の長で、取り上げられるのはアブラハム、その子イサク、その子ヤコブ、そしてその十二人の子どもたちです。
 さてまず話はアブラム(後のアブラハム)から始まります。もともとアブラムはカルデアのウルに住んでいました。メソポタミヤ地方の大都市です。けれども神はアブラムをカナンの地へと導かれました。アブラムは途中のハランで定住しかけます。しかし、神がアブラムを導こうとしておられたのはハランではありませんでした。そこでアブラムの父テラが死んだ時に、神はもう一度、アブラムに声をかけられます。そして神が示す地に進むことを求められ、アブラムに祝福の基への道を約束されたのでした。アブラムは主が告げられたように進んで行きました。ここからアブラムの人生は大きく開けていくことになります。