ノアの時代の洪水の後、ノアの子どもたちのセム、ハム、ヤフェトを通して、人は増えていきました。まず取り上げられるのはヤフェトの子孫です。彼らはエーゲ海からカスピ海に及ぶ北方に分布していた部族で、インド・ヨーロッパ人種のこととされています。
次に取り上げられるのはハムの子孫で、メソポタミヤからエジプト、エチオピアなど南に拡がっていった人々のことと考えられています。
そして最後に出てくるのがセムの子孫であり、旧約聖書はセムの子孫として生まれた人々が中心になって描かれていきます。
この十章では、ハムの子孫のニムロドという人物について取り上げられています。「地上で最初に勇士になった」と言われ、「勇ましい狩人」と呼ばれていることから、単に狩猟民族となっていったというだけでないだろともされています。勇ましいのは大切なことです。ただ、ニムロドは自分の力によって武力で人々を支配していったのでしょう。与えられている力や知恵ををどのように用いるかはとても大切なことです。